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キョンの消失 エピローグ |
_ | _ | - * - ……俺が女性となって過ごしていたらしい四日足らずのあの改変劇は、こうして元の姿へと戻った。 あのキョンが俺に刺したナイフは長門が作成したもので、あいつが体験した数日間の記憶を受け渡すというものだった。 正直言ってこっ恥ずかしい記憶のオンパレードだ。 古泉に抱かれ、長門を抱き、朝比奈さんに口づけ、ハルヒと……えっと、いろいろだ。 気持ちはありがたいが処理に困るぞこれ。特にハルヒの部分。 あんなの知った後じゃ、まともにハルヒの顔を見る事もできない。 それもあって、またあいつの記憶でここを見たからもあり、俺は朝っぱらから例の屋上へとやってきていた。 見晴らしも、吹く風も、今の俺にはとても心地よかった。 改変中の記憶は、俺以外は誰にも残らなかったらしい。 再改変を行った長門ですら、その事実を含めて記憶がしっかりと改ざんされていた。 次に朝比奈さん(大)にあったら、今回の事を詳しく聞こうと思っている。 話してもらえるかわからないが。 結局あの騒動で残ったのは、あいつが触れていった他のメンバーとの思いだけのようだ。 だが、俺はその気持ちが残った事こそ一番重要だと思う。 だってそうだろ? あいつは必死になってこの世界を戻す為、そして俺を復活させる為に一生懸命に生きたんだ。 なあ、キョン。お前はもしかして俺の中で生き続けてるのか? もし生きてるんだったら、どうかそこで見ていてくれ。 俺も少なくとも、お前のハルヒに対する告白には負けないぐらい頑張って生きていってやるから。 そしていつの日か、ハルヒが全てを自覚したらみんなに語ってやろうと思う。 お前という存在が、確かにいたと言う事を。 - 了 - _ | _ |
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