ホワイトデー・カーニバル 2

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・午前九時：ハルヒ

「ねえ有希、あんたの所にもキョンから手紙来てるわよね」
　どうしても回答から先へ進めなくなったあたしは他のメンバーに連絡をとってみることにした。
『来ている。朝比奈みくるの元にも届いている』
　そう、それなら話は早いわ。それで有希はこの変な問題解けた？
『問題自体は回答を得たと思っている。ただ、そこから先がつかめない』
　あたしと同じ状態か。ねえ有希、あたし達の問題ちょっと交換してみない？
『構わない。あなたの求めた回答とは？』

　あたしの回答は、おそらく「ＡＪＩ」。１・１０・９をアルファベット順に当てはめた結果ね。
　でもＡＪＩが何を意味するのかが判らないの。


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・午前九時：長門

『有希の方はどう？』
　わたしの問題はNo.３、No.１０。これはおそらく元素番号と思われる。
『元素番号？ それって元素周期表のあの並びの？』
　そう。三番目リチウムのＬｉ、そして十番目ネオンのＮｅ。それを合わせた言葉「ＬｉＮｅ」がわたしの回答。
『元素周期表って……そんなの良くわかったわね』
　彼の電話がヒントになった。彼が告げた「水兵」は「水兵リーベ」という元素周期の語呂合わせを暗に示していたもの。
『あぁ、だからあたしには「ハロー」なんてバカな挨拶してきたんだ』
　おそらく。だがわたしにはこの回答が何を意味するのかが判らない。

『ＬｉＮｅ……ライン、線。たしかに有希のも謎ねぇ。あ、そういえばみくるちゃんのは聞いてる？』
　聞いている。ただ朝比奈みくるの問題、並びに回答もやはり意味不明。
『みくるちゃんのも？ ねえ、あたしにもその問題教えてよ。こうなったらみんなで考えましょう！』


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・午前九時：長門２

　朝比奈みくるの問題は「−ＲＤ」。これはある英単語を指し示している。
『ＲＤ……あぁ、つまり３ｒｄって事？』
　そう。よって彼女の回答は３となる。ちなみに彼のヒントは「最初の」という部分。
『みくるちゃんだけ数なのね。でも意味不明なことには……ん？ ちょっと待って』

　電話の向こうで涼宮ハルヒが何やら考え始める。彼の真意を捉えたのだろうか。
『……閃いたっ！ そうか！ キョンのヤツったらあたしたち三人で問題を解けって言ってるのよ！』
　三人で？
『そう！ だから三人の答えが揃わないと意味が判らない仕組みになってたんだわ！ なかなか考えたわね、あいつも』

　……「ＡＪＩ」「ＬｉＮｅ」そして「３」。涼宮ハルヒはこの言葉からいったい何を……。


（第３話）