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集結
北高を出よう!
Specialists Of Students VS EMulate Peoples.
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 同時に観音崎が突然右手を空へと向ける。

「何だこの感覚は!? まさか、本当に何か呼べるというのか!? ……ならば、来いッ!!」
 観音崎の呼びかけに掲げた右手が輝いて応える。刹那、光が弾けたかと思うと観音崎の右手には一冊の本が握られていた。手の平より大きい文庫本サイズのちょっと薄めな本だ。ポップなイラストとふざけたタイトルがいわゆるライトノベルである事を示している。
 ……ん? どっかで見たことあるような本だと俺が記憶を漁ろうとすると
『それを、わたしに』
 間髪いれずに長門が告げてきた。
 そうだ、それどころじゃない。俺は反射的に叫んでいた。

「観音崎、その本を長門へっ!」
 言ってからどうやって渡すんだと考える。長門たちの場所までまだ距離がある。投げたところで届かないし、そもそも地面の振動がそれを許さない。だが観音崎はわかったと応えると何も考えずに本を放り投げた。
「この大きさなら俺でも操れる……頼むぜ、寮長の妹さん! 飛んでけええッ!!」
 観音崎の水色のリボンが光ったかと思うと、放物線を描いて飛んでた本がいきなり空中に静止する。そして長門目掛けてありえないぐらいまっすぐに飛んでいった。重力なんて完全に無視、まるで野球大会の時のインチキボールだ。
 長門が右手を真横に伸ばし、後ろから飛来する本を振り向きもせずに受け取る。左手で光明寺を支えているというのに、なんとも器用なものだ。


『媒体を入手、鍵は揃った』
 そのまま手にした本を額に当てる。
 鍵だと? さっきから長門は何をしようとしているんだ。


『機械仕掛けの神より接続。確認。《自動干渉機[アスタリスク]》、わたしにも機会を』
 恐ろしく静かな声で淡々と長門が呟く。いつもと違い、まるで機械音声のようだ。
 驚く俺たちをよそに、長門はそのまま抱きかかえる光明寺に告げる。


『対象より条件提示。機械仕掛けの神の名を入力せよ』
 あっけにとられたような、雰囲気にのまれたのか、光明寺の息を呑む音が聞こえてくる。
『き、機械仕掛けの神?』
 機械仕掛けの神、デウスエクスマキナ。「状況を一気に打破するご都合主義」の事だ。
 決して万能インターフェースである長門の事ではない。と、思う。

『あなたが信用せず、だが信頼するモノの名を』
 長門があくまで冷淡に告げる。ややあって、今度はふぅとため息に似た息遣いが耳に届いてきた。

『……こんなふざけた状態をどうにかできるようなふざけた存在など、わたくしはたった二人しか存じておりません。そしてわたくしの前に立つのは想念体。ならばわたくしが呼ぶのは不本意なれどただ一人です。
 ええ、良いでしょう。わたくしが全く以って信用せず、だが全身全霊を以って信頼するその機械仕掛けの神の名、お教えして差し上げますわ。
 其れは第三EMP学園の恥部、<黒夢団>首領にして生徒自治会保安部対魔班班長!
 そしてわたくしを勝手に一番弟子と呼び付きまとう天上天下唯我独尊なあの男!
 常に被害を拡大し事態を最悪へと動かす故に誰からも信用されない存在でありながら、それでいて全てを終結させる力を兼ね揃えるが故に誰よりも信頼される存在である、第三EMP学園きってのトリックスター!


 ──その名、班長、宮野秀策っ!』




<正解だ、茉衣子くん! 我が愛すべき後輩にして唯一なる弟子よ!>
 そんな男の声が届くと共に、《神人》の足元を中心に闇のように昏く巨大な同心円が出現した。


- * -

 突如現れた闇の法円から無数の黒い触手が伸び始め、《神人》の身体をがんじがらめに捕らえて動きを封じる。
「はっはっはっ! なかなかに楽しい状況になっているではないか、茉衣子くん! 私ももちろん参加させてもらうとしよう!」
 触手の拘束によって《神人》の動きが、攻撃が止まった。俺と観音崎は《神人》から受け続けた振動で三半規管がいかれた状態だったが、ふらつきながらも何とか立ち上がると長門たちの元へと走り出した。
「光明寺! これはいったい! あの闇の法円はまさか!」
「ええ……冗談半分で期待したら本当にやってきてしまったようですわ、あのアホ班長」
 光明寺が前方を指差すと、そこには白衣を纏い両手をバンザイ風に広げて笑いながら《神人》と向き合う人物の姿があった。どうやらあれがその班長とやららしい。
 それで、このブラックライトのような法円と今夜の夢に出てきそうな薄気味悪い触手はそこで笑っているちょっとアレっぽく見える彼の仕業か。
「そうですわ」
「だ、だけどどうやって!? ここは彼の表現でいえば『上位の世界』だっていうのに!?」
「話は後にしたまえ! 今は議論を行う時ではない。実務の時間だ!」
 班長──たしか宮野だったか、は振り向いて檄を飛ばす。言ってる事は格好良いがその心底楽しんでいるという笑みが全て台無しにしていた。どこかの百ワット団長を思い出す。

「ええ、確かに。ですがこれだけは言わせてください。いったい誰があなたの愛すべき後輩で唯一なる弟子なのですか!」
「無論キミに決まっていよう、茉衣子くん!」
 宮野は何を言っているんだと言わんばかりに返す。そしてこちらに近寄るとおもむろに光明寺を抱き寄せた。
「なっ! ……何をなさるのですか、この変態!」
「全て後だと言ってるだろう。キミは何よりも先にすべき事がある。違うかね」
「違いません! ですからわたくしを放してください! 班長がわたくしに抱きつく理由が全く以ってわかりません!」
「意味などない。ただムードを盛り上げただけだ。久しぶりの抱擁にこう元気が注入されやる気がふつふつと沸いてくるかと思ってな!」
「余計そがれます!」
 白と黒のかけあい漫才が続く。こうも息がぴったりだと二人に気を取られ《神人》の事すら忘れてしまいそうだ。

「やれやれ、一安心みたいだね。光明寺も緊張が解けたようだ」
 観音崎もなにやら安堵の息を漏らしている。どうしてそこまで余裕になれるんだお前ら。
「あの二人が組んで解決しない事など一つもなく、生き遂せた想念体もまた一体もいない。それが俺たちのいた学園で常識だったからさ。
 そう言う訳でお二人さん、早いとこ何とかしてもらいたいんだけど」
 観音崎が二人に水を向ける。光明寺たちは再会の抱擁状態から、いつの間にやら光明寺の肩を宮野が背中から支える姿勢へと変わっていた。
「わかっておる! さあ茉衣子くん、キミの力であの巨人の外側に群がる想念体どもを派手にぶっ壊したまえ!」
 びしりと肩越しに《神人》を指差す。って、外側? なんだそりゃ。
「うむ! アレは想念体が巨人に纏わりついておるのだ。だからあの巨人は本来あるべき力を揮えないでいるのだろう。内面で葛藤しているのがヒシヒシと伝わってくるぞ!」
 本来の力──つまり閉鎖空間か。《神人》が、ハルヒが閉鎖空間を生み出せないのは取り憑いている想念体が原因だと、そう言うのか。
「そう。涼宮ハルヒの意思に纏わりつく意思を破壊すれば、あの存在も涼宮ハルヒも正常状態に回復すると思われる」
『そうなったら、後は我々能力者たちの出番です』
 長門が俺の意見にうなずき、森さんがそれを受ける。まさにその通りだ。

「さぁキミの力を見せてやれ、茉衣子くん。キミはあんな想念体などに遅れをとるようなやつではない。キミの力もまた然りだ。前にも言ったがそれはあちらの茉衣子くんだったようが気がしなくもないのでもう一度言おう。しかとその心に留めるのだ。
 ──信じることだ、茉衣子くん。限界を設定しているのは自分自身の心だ。EMP能力を持つ者に力の強弱は本来ない。相手が超回復を持つのならば、キミはそれを上回る圧倒的な力をぶつければいい。そう、思い込みさえすればいいのだよ」
 光明寺が両手を伸ばす。右手の中指と人差し指を伸ばし、銃のような形をとる。左手は右手首をしっかり握り支えて揺れを止める。
 光明寺が見据えるその指先に今までとは段違いに輝く、こぶし大の蛍火が灯り始めた。


「信じたまえ、茉衣子くん。キミは無敵だ」
「────当然です」


 それを合図に心のトリガーが引かれ、蛍火はまっすぐ《神人》目掛けて飛んでいった。
 触手をすり抜け《神人》に蛍火があたる。着弾地点を中心にして黒い身体に光のヒビが無数に走り、乾いた音と共に砕け散った。黒い外側が弾け飛び、中から青白い《神人》が姿を現す。青白い《神人》が自由になった身体を伸ばし声なき声を叫ぶと、《神人》から強烈な波動が打ち出される。俺はとっさに長門を庇おうと抱き寄せ《神人》に背を向けた。

 いつの間に目をつぶっていたのか。
「大丈夫」
 長門の声に意思を取り戻し目を開くと、そこは先ほどと同じ景色で、しかし灰色が支配する空間だった。どこからともなく飛び出してきた紅玉の光が《神人》に突撃していく。

『光明寺さま、観音崎さま、そして宮野さま。我々はお三方に心の底から感謝いたします。もちろん、SOS団のあなた方にも。……さあ、下がっていてください。後は、閉鎖空間で《神人》を倒すのは、我々の役目です』
「うむ、そうしよう。この空間もキミたちも、もちろんあの巨人も実に興味深い。さあ茉衣子くん。我々の出番は終わりだ。後は特等席でじっくりと見物させてもらうとしようではないか」


- * -

 二つのリボンと長門の障壁展開で安全地帯を生成し、俺たちは腰を下ろす。もしこれを破れる力が襲い掛かってきたとしたら、その時すでに世界は終わっている事だろうよ。

「班長さん、キミはどうやってこの地へ来たんだい?」
 一息ついてまず切り出したのは観音崎だった。確かに今回最大の謎だ。ご都合主義にもほどがある。だが宮野はその場におもむろに立ち上がり腕を組むと、質問に対し
「つまりキミたちは私が宮野秀策だと信じて疑わないのだね」
 と妙な質問で返してきた。

「信じても何も、班長は班長ではないですか。ああ、それとも実は班長は人類ではなくて何か別の生命体ですか? そしてわたくしたちにその事実を暴露して、正体が知られた以上宇宙の果てや地底と言った本来の自分の世界へ帰還しようと、そういう事なのですね」
「ふむ、さすがは我が最愛なる弟子だ。迷う事無く核心を突くとは、いやはや師として嬉しい限りで今にも踊りだしそうだ!」
 光明寺の表に出まくりな皮肉に、宮野はまるでご褒美を貰った子供のようににこやかに微笑むと光明寺の手を掴み、引っ張り上げ、両手を取ってぐるぐると回りだした。
「な、何をなさるのですか! 紙一重の先を行きすぎですわ! その手を離しなさい!」
「……で、どういう事なんだい班長さん」
 いつもの事だからと特に驚いた様子も見せず話を進める観音崎に、宮野は素直に手を離し踊りをとめるとあっさり解答を告げた。

「判らないかね。私はキミたちと同じ存在なのだよ、茉衣子くん。
 私もキミたちと同じく人の意思──私の場合この少女だったがまあその辺りはどうでもいい。詰まるところ、誰かの意思によって生み出された存在だと言う事だ。キミたちは確か<シム>と呼んでいたか? この私もそれだ。だから正確には宮野秀策がこの世界にやって来たわけではない。私のコピーが、つい先ほどこの世界に誕生したのだ」

 なんだかとんでもない事をさらりと言わなかったか、こいつ。話についていけていない部分が多いが、ひとつ質問させてくれ。
 つまりお前、いやお前たち三人は、実は人間じゃないってことなのか?
「その通り。そして元をただせば私たちとあの巨人に群がっていたモノは同じ存在である。私たちはより明確な意思によって生み出された故にこうして人としての身体をとり、人としての知性を持ち、人としての意思を宿している。
 オリジナルとの相違がどれだけあるのかという点はともかく、私たちは限りなく人間に近い存在なのだ。彼女と共に居るキミならば、この意味が判るだろう?」
 宮野はそういい長門に視線を送った。確かに彼らが人間かどうかなど既に些細な事なのかもしれない。今更人間っぽい人間外生命体が現れたところで、驚く感情は品切れ状態だ。

「世界は今、涼宮ハルヒの力によって<シム>が生み出せる状態になっている」
 長門が静かに語りだす。
「涼宮ハルヒの力によって想念体が生み出され、その想念体が涼宮ハルヒに取り憑いた事で世界はこの状態になった。
 だがこれは一過性のもの。涼宮ハルヒから想念体が分離した為、あと一時間程度でこの特殊な状況は収束する」
 つまり《神人》に取り憑いてたような想念体がこれ以降もわらわら出現する、って事は無いんだな。それを聞いてとりあえずは安心したよ。しかし、だ。

「ちょっと待ってください。班長がわたくしたちと同じ<シム>だというのはわかりました。わたくしの力を当てればそれが真実かどうかはっきり致しますが、そこはぐっと堪えて我慢しておきましょう。ですがその場合、新たな疑問が生まれます。
 わたくしがこうして見る限り、班長はどう見ても本物の班長と寸分違わぬ存在に思えますわ。そう、まさにあの時のわたくしと同じように。百歩譲って、長門さんが若菜さんと同じく他人に色眼鏡を付加せず観察する事ができる人だと致しましょう」
 その点は一歩も譲らなくていい。長門は殆どの物事に対し、それをありのままに捉える事が可能なやつだ。

「そうですか。ならば尚更大きな疑問が残ります」
 ああそうだな。問題は長門がいつ、何処でこの宮野の事を知ったかと言う事だ。
 長門、お前いつの間にこんな訳わからんやつと知り合いになっていたんだ?

「……」
 長門は物言わず、すっと一冊の本を差し出してくる。それはさっき観音崎が召喚した文庫本だ。赤い背景に吸血鬼の扮装をした女の子が描かれたその表紙には、やはりどこかで見た記憶が残っている。
 俺が頼りない自分の記憶を探していると、横から伸ばされた手に文庫本を取り上げられてしまった。もちろん宮野である。
「ふむ、これが我らか……なるほど『学校を出よう!』とはまさに的を得た表題だな」
 なにやら呟きパラパラとめくって中を確認する。ざっと見終えた後、本をこちらに投げて返すと宮野は長門に問いただした。
「キミが私と繋がっていた存在なのかね?」
「違う。あなたと繋がっていたのはその本の持ち主」
 そう言って一度長門がこちらを見ると、再度宮野に視線を戻して言葉を続けた。


「あなたと繋がっていたのは、涼宮ハルヒ」


 その言葉に、俺は今日の放課後だるそうにしていたハルヒの事を思い出していた。
 ハルヒが枕にしていたこの文庫本の存在と共に。


- * -

 観音崎が俺の手にする文庫を見つめて頷く。
「……そうか、そういう事か。班長さんの言う上位下位の世界とは、つまりこういう表現になるのか。そして長門さんはその本の既読者だったが故に班長さんの事を知っていた。そうだね?」
「その通り。わかったかね茉衣子くん」
「全然わかりませんわ」
「ふむよろしい。ヒントは与えていたつもりだったが、これまたキミが消された後に話したのかも知れんので教えよう。
 私たちのいた世界には、私たちの世界に似た平行世界がある。同じ理屈で上位下位の世界も存在するのだ。例えばその小説。この世界の住人からすればその小説の世界は下位にあたる。この世界の人間がやろうと思えばいくらでも自分たちの気に入るようにその小説の文章を、つまり世界を書き変える事が可能なのだからな」

「……ちょっと待ってください、班長。もしかして……あの本は、まさか……」
 光明寺がそれに気づいたのか、俺の持つ本をまるで忌むべき対象物であるかのような何ともいえない表情で見つめてきた。
「その通りだ。表紙に描かれている二人のイラストを見れば一目瞭然であろう?」
 そう言われて俺は改めて表紙を見直した。観音崎は興味心身に、光明寺は覚悟を決めて俺が二人にも見えるように差し出した文庫本を覗き込む。


 文庫本の表紙には、吸血鬼の扮装をした少女に抱かれる『黒衣の美少女』の姿が描かれていた。
 ……後で光明寺にサインでも貰っておくか。これはハルヒの本だがな。


- * -

 その後も宮野の禅問答のような講座が続く。何を言っているのかちんぷんかんぷんだとなかば聞き流していた所で、俺の携帯にメールが届いた。

『またね。by SOS』

 なんだこりゃ。変な広告か間違いメールか? 俺が謎のメールに頭をひねっていると
「連絡」
 長門が俺に顔を向けながら告げてきた。どうやら長門の方に朝比奈さんたちからの連絡が入ったようだ。

「トラブルは回避した。涼宮ハルヒはもう大丈夫……以上」
 そんな長門の報告とほぼ同時に、目の前で繰り広げられていた《神人》との戦いも決着がついていた。崩れていく《神人》を、紅玉の光が大きく取り囲む位置で待機する。

『みなさん、お疲れさまです。《神人》は無事に討つ事ができました』
 耳につけたイヤホンから森さんの終戦宣言が伝えられる。これで一件落着のようだ。
「うむ。中々に興味深い戦闘だった。《神人》とやらについてキミ達『機関』とやらの見解をぜひとも伺いたい所だが後にしよう。さてそこの少女よ、先ほどサラリと言ったトラブルとは一体なんだね」
 宮野が長門を指差し聞いてくる。白衣を着ているのもあってまるで教師のようだ。
 指された生徒長門は返事をする事も立ち上がることも無く、少しだけ顔を動かして海洋深層水を汲み出す深さの海の色のような瞳を宮野に向けた。
「涼宮ハルヒの精神に想念体が寄生していた」

 ……何だって?

「涼宮ハルヒの体調不良とあの存在の顕在化は、涼宮ハルヒの精神に想念体が寄生していたのが原因。こちらで想念体をあの存在から分離させた為、涼宮ハルヒ自身からも想念体が分離した。想念体は涼宮ハルヒの思考から一つの個体となって攻撃。その場で護衛していたメンバーでそれを撃退。涼宮ハルヒは現在小康状態で眠りについている」
 俺の与り知らぬ所でそんな事が行われていたとは驚きだ。

「これが、この世界の既定事項。そして」

 《神人》が倒れ、閉鎖空間が終焉を迎える。空にヒビが入り、鈍色の空間は砕け散った。
 砕けた世界の破片の向こうに、現実世界で俺たちを迎え入れる一人の女性の姿が見える。
 その麗しい姿をしたスーツ姿の女性は、長門の言葉に続けて告げてきた。

「──そして、その既定事項を実行するのはあなたです。キョンくん」


 集結した事態は、再起する。



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